この記事ではキャベツが腐る時の原因とその見分け方を解説。
キャベツの賞味期限、日持ちする日数は何日くらいなのでしょうか。

キャベツが腐る原因
キャベツが腐る原因とは、どんなものなのでしょうか。
それはキャベツだけではなく、すべての食べ物に共通した原因があります。
学研キッズネットの文章を引用して説明したいとおもいます。
食べ物がくさるというのは、細菌が食べ物について、それを食べながら仲間を増やし、そして、食べ物を細菌の排泄物(はいせつぶつ)に変化させているということなのです。
くさった食べ物は、いやなにおいがしたり、糸を引いたりします。これは、食べ物を食べて増えた細菌と、その細菌が出した排泄物によって出されるものと思ってください。」
引用元:「学研キッズネット 科学>科学なぜなぜ110番>身近なふしぎ>食べものはどうしてくさるの」
この腐った状態は、食べ物の種類によって異なります。例えば、餅でしたらカビが生えるというわかりやすい腐り方をします。
キャベツの場合は腐りかけなのか、腐っているのかが、非常に分かりにくいです。
この記事では、両者の具体的な判別法を詳しく見た後に、腐りかけのキャベツを美味しく食べるレシピをご紹介していきたいと思います。
キャベツが腐るとどうなるか?
キャベツが腐っている(アウトの状態)とは、どの様なものでしょうか。この章で詳しくみていきたいとおもいます。
腐敗が進むと黒色になる
古いキャベツが腐敗してくると、まずは腐敗臭のある茶色になり、更に腐敗が進むと、最終的にひどい腐敗臭のする黒色に色が変化します。
キャベツの葉が溶けて汁が発生する
キャベツの葉に傷みがでてくると、その部分が腐敗により溶けだして、べちゃべちゃになります。また、それにより腐敗臭のひどい腐った汁が発生してきます。
すっぱい匂いおよび腐敗臭
キャベツが腐敗してくると、腐敗が原因であるすっぱい匂い、およびひどい腐敗臭が発生してきます。
一般的なキャベツの賞味期限
採れたてキャベツの賞味期限
採れたてのキャベツとは、畑で収穫したばかりのキャベツのこと。
収穫したばかりの採れたてキャベツは、時々虫がついているくらい非常に新鮮な状態だといえます。
採れたてキャベツは畑で収穫後に、いくつかの施設を経由して、スーパーに輸送されます。
したがって採れたてキャベツの賞味期限は、スーパーで陳列されているキャベツに「輸送日数」を足したものといえるでしょう。
それではスーパーなどに陳列されている野菜は、どのようにして産地の畑から輸送されてくるのでしょうか。下記の通りの流通経路になっています。
- 畑で収穫(1日目の午前中)
- 農協・出荷組合などの出荷団体(1日目の午後)
- 卸売市場(1日目の夜)
- スーパーに到着後陳列(2日目の午前中)
という流通経路です。基本的に、全国各地域から関東近郊のスーパーまでのエリアで考えると、野菜は畑で収穫後、早ければ次の日にスーパーで陳列されます。
流通経路の発達により、朝早く収穫した野菜が、その当日の夕方にスーパーに並ぶケースも出てきています。価格は高いですが、非常に新鮮な野菜を食べることができます。
したがって採れたてキャベツの賞味期限は、2週間(スーパーのキャベツの賞味期限)+2日~4日で計算すると良いでしょう。
つまり、キャベツは最短で約16日間~最長で約18日間の賞味期限になります。
スーパーに陳列されているキャベツの賞味期限
スーパーに陳列されているキャベツの賞味期限は、冷蔵保存の場合では約2週間であるといわれています。
この約2週間の保存期間内でも、保存状態が良くないとキャベツが早く傷んでしまいます。
キャベツ自体の成長を遅らせるコツがあります。
- キャベツの芯をくりぬき、十分に水分を含んだキッチンペーパーを詰める
- キャベツの芯につまようじを2~3本刺すなどをの処置をとりましょう
その上で新聞紙に包んで、冷蔵庫に保管するというひと手間を惜しまずにしてみましょう。
キャベツの保存状態が非常によくなります。
カットキャベツの千切りの賞味期限
カット野菜などの消費期限はカット加工処理後、約3日間であるといわれています。
キャベツは切断面からの酸化(空気に触れること)によって、傷んでいく野菜です。したがって、カットキャベツは切断面が非常に多いので、日持ちが異常に短いのです。
- 賞味期限:その保存期間内であれば、美味しく食べられる期限。それを過ぎても数日ならば安全に食べることができる期限
- 消費期限:その期間内であれば、食品が安全に食べられる期限。それを過ぎたら安全性の保障が無い期限
腐りかけのキャベツの状態とは
丸ごとキャベツを買って時間が経過してくると、キャベツの見た目や匂いなどが明らかに変化してきます。
せっかく買ったのだから、しっかり全て食べきりたいですよね。この章では、腐りかけだけど食べられる(セーフの状態)について、具体的にみていきたいとおもいます。
外側、切断面が紫色に色が変化する
キャベツは時間が経つと、外側あるいは切断面の色が緑色から紫色に色が変わることがあります。
この紫色の成分は「アントシアニン」と呼ばれています。この「アントシアニン」は、眼に良いサプリメントの名称として耳にしている方も多いことでしょう。つまり眼に良い成分なので、もちろん食べることができます。
これはセーフの状態です。もちろん食べられます。
カビ臭い匂い
キャベツは時間経過とともに、様々な匂いが発生してきます。
キャベツから「カビ臭い匂い」が発生している場合は、決して腐っている訳でありません。
畑の土は、栽培されている野菜の種類によって、その野菜にふさわしい成分を含んだ土へと変化をしていきます。
キャベツ畑に生息している微生物は「メチルイソボルネール」というカビ臭い成分を分泌しています。
この「メチルイソボルネール」の匂いが、キャベツに移るとキャベツがカビ臭くなるといわれています。
これは身体に毒なものではありません。
セーフの状態といえるでしょう。もちろん食べられます。
しかし、カビ臭いキャベツをそのまま食べることは非常に難しいでしょう。キャベツのカビ臭さを落とす方法は、のちの章で詳しくご紹介したいとおもいます。
切断面が茶色に変色
キャベツを包丁で切断した面が、時間経過に伴い茶色に変色した場合は酸化しているだけです。
セーフのの状態といえるでしょう。
これはキャベツの「ポリフェノール」が空気に触れて茶色に変色するしているだけです。
食べても身体に毒ではありません。
この空気に触れると茶色になる現象、こてはどこかで聞いたことがあると思いませんか。
りんごをカットした時に塩水につけずに、そのまま空気に触れさせておくとリンゴの切断面は茶色く変化します。これと同じ現象がキャベツにも起こっているのです。
これは酸化した茶色ですので、当然ながら腐敗臭はしません。
※切断面を茶色くしないために、事前にできるライフハック(生活の知恵)があります。
キャベツを切断した時に、レモンを絞って塗るか、もしくは市販のレモン汁をキッチンペーパーに十分に含ませて切断面に塗ることです。これでキャベツの酸化を防ぐことができます。
黒い斑点ができる
キャベツを育てているときに、畑の気温が急降下した気候が続くと、外側の葉に黒い斑点ができたり、また外側の葉を1枚めくった内側に黒い斑点が発生することがあります。
この黒い斑点の正体は、ポリフェノールです。
身体に毒ではありません。もちろん食べられます。
ただし、見た目が料理にそぐわない場合は、カットして食べると良いでしょう。
ジメチルスルフィドよる異臭
腐りかけでセーフの状態のときには、すっぱい匂いではなく、ジメチルスルフィドによる異臭が発生します。
もともとスーパーで購入したばかりのキャベツは、キャベツ独特の青臭さがあります。
この青臭さを醸しだす成分を「イソチオシアネート」といいます。キャベツが古くなったり、酸化することにより「イソチオシアネート」が「ジメチルスルフィド」に変化します。
キャベツが苦い味になる
キャベツをの保存方法が悪かったり、また千切りにした後に常温で放置しておいたりすると、キャベツが苦い味になります。
本来のキャベツの味ではない「変な味」がしています。
苦い味の原因は、キャベツの成分である「イソチオシアネート」が酸化したことによるものです。身体に毒ではありませんのでセーフの状態です。もちろん食べられます。
腐りかけと腐っているキャベツの判別
今まで、セーフの状態(腐りかけ)とアウトの状態(腐っている)について、具体的にみてきました。
ここで分かりやすく整理ししてみましょう。キャベツがセーフかアウトかの判別法は下記の通りになります。
見た目の色
- セーフの状態
-
→酸化した茶色(腐敗臭はしない)・紫色
- アウトの状態
-
→腐敗臭がする茶色・腐敗臭がひどい黒色
匂い
- セーフの状態
-
→青臭い・カビ臭い、ジメチルスルフィドの匂い(汚れたまま腐った雑巾の様な匂い)
- アウトの状態
-
→腐敗したすっぱい匂い、腐敗臭
キャベツの葉や芯の見た目
- セーフの状態
-
→しなしなの葉、黒い斑点が発生している葉
- アウトの状態
-
→腐敗した黒ずんだ葉、腐敗してべちゃべちゃに溶けた葉、黒ずんでいるキャベツの芯
腐りかけのキャベツは加熱すれば食べられる?
結論から言えば腐りかけのキャベツは加熱すれば食べられます。
ですがセーフ(腐りかけ)の状態のキャベツを食べる場合、どんなことに気を付けたらよいでしょうか。
ギリギリの状態のキャベツを食べる時の注意点としては、
- 時間経過による雑菌
- ジメチルスルフィドによる匂い(非常に強い青臭さ・汚れたまま腐った雑巾のニオイ)
- メチルイソボルネールによるカビ臭さ
- 酸化によって切断面が茶色く変色している状態
などが挙げられます。
この4つを取り除くことが、セーフの状態のキャベツを美味しく食べるためのコツだといえるでしょう。
腐りかけのキャベツを安全に食べる方法
時間経過による雑菌
時間経過による雑菌を殺菌するために調理法としては、しっかり火を通す加熱料理(炒める・煮る・揚げるなど)がふさわしいといえるでしょう。
75度以上での調理がもっとも細菌を殺す温度といわれています。
セーフの状態のキャベツを安全委食べために、加熱調理を心がげてください。
ジメチルスルフィドによる匂い対策
キャベツのジメチルスルフィドが匂い(非常に強い青臭さなど)が移ってしまって、料理を台無しにするという問題を取り去るためには、
- ぬるま湯で臭み・ぬめりを良く洗う
- レモン水で洗う
- クエン酸水・酢水を使用して洗う
などの手段が有効です。
ジメチルスルフィドによる匂い対策3つ
1.ぬるま湯で臭みを良く洗う
古いキャベツには、青臭さが出るのと同時にぬめりも出てきます。
このぬめりをぬるま湯でしっかり落とすと非常に強い青臭さもだいぶ薄れます。キャベツなどの野菜を洗う時の温度は、約50度以上が理想的とされています。
これを「野菜50度洗い」といいます。キャベツの場合は、「野菜50度洗い」を15秒~20秒行います。
逆に、この「ぬるま湯」の温度が43度を下回ると、雑菌が増えて食中毒の原因となります。温度管理に気を付けて、「野菜50度洗い」を行ってください。ぬるま湯とはいえ約50度です。
やけどをしないようにゴム手袋を着用して行うと良いでしょう。
2.レモン水で「つけおき洗い」をする
キャベツをレモン水で漬けおき洗いをすると、青臭さがだいぶ薄れます。
レモン水でつけおき洗いをする方法は、
- 大きめのボールに、その日に使う分のキャベツを入れる。
- ボールの中に水を入れていく。キャベツと同じ高さまで水が入ったら水を入れるの止める、
- そこにレモン果汁(小さじ1)を入れて3分間漬けおきをする。
- 3分間たったら取り出してざるで水分をしっかり切る
という手順でおこなうものになります。
3分間以上は漬けておかないというコツも守りましょう。
理由は、3分間以上たつと、キャベツの栄養素の1つであるビタミンCが水の中に溶け込んでしまうからです。
3.クエン酸水・酢水で洗う
キャベツを酢水やクエン酸水を使用して洗うと、だいぶ青臭さが抜けます。
一般的にクエン酸は疲労回復効果のある成分として知られています。実は消臭効果もあります。やり方はレモン水と同様です。
先ほどにレモン水と同じ手順で行います。
ボールの水水1リットルにあたり、クエン酸小さじ2を加えてください。
クエン酸水の場合も3分後にザルを用いてキャベツの水気を切ってください。
クエン酸水も3分間以上漬けておくと、水溶性のビタミンCが水中の流失してしまいます。
更には、酢水のケースでも同じ手順が有効です。酢水を入れる割合は小さじ1~2です。
メチルイソボルネールによるカビ臭さ
メチルイソボルネールによるカビ臭さは、ジメチルスルフィドによる青臭さをかき消す方法と同じ方法が有効です。
茶色く変色している状態
古いキャベツの切断面が、茶色に変色した場合は時間経過による酸化。
酸化で茶色くなった部分は、ポリフェノールの酸化によるものなので、そのまま食べても毒ではありません。
しかし、食材の色も料理の味の1つだといえます。茶色の部分をカットして料理する、もしくは色のついたスープの具(例:トマトスープなど)にして、茶色の変色がわからないようにして料理すると、見た目も美味しく料理できます。
ギリギリ!腐る手前のキャベツにおすすめのレシピ
ギリギリ腐る手前のセーフの状態のキャベツは、、どのように料理をしたら美味しく食べることができるのでしょうか。安全に食べることが大前提と考えます。したがって、この記事では必ず加熱処理をするレシピをご紹介させていただきます。
キャベツと厚揚げの味噌炒め
キャベツの味噌の色が付くので、茶色に変色したキャベツでも見た目が気にならずに美味しく食べることができます。お弁当のおかずにオススメのメニューです。
見た目も気にならず、冷めても美味しいのでお弁当のおかずにもおすすめ。
キャベツのサンラータン(酸辛湯)
トマトの色付きのスープですので、茶色に変色したキャベツでも見た目が気にならずに美味しく食べることができます。

キャベツが腐るについてのまとめ
この記事では、まず、キャベツが腐敗する理由と、腐敗したらどのような状態になるのかをみてきました。
キャベツが腐りかけの状態についても具体例をあげ、アウトの状態(腐ったキャベツ)とセーフの状態(腐りかけのキャベツ)の判別法を参考にキャベツの食品ロスの現象につながると良いですね。
キャベツは非常に栄養価が高く、価格もお手頃な優等生の野菜。弁当にも便利な野菜です。
キャベツの状態を見極めるコツをマスターして、キャベツが腐る前に丸ごと使い切るようにしましょう。
