長芋が腐る・カビと賞味期限/黒い・ピンクに変色したのは食べれるか?食あたりや食中毒になる?

冷蔵庫に入れてあった長芋がいつのまにかピンク色に。これって食べられるのでしょうか?黒い長芋は腐っている?カビが生えてしまったら?長芋の賞味期限について、また変色した長芋が食べられるのか、食べたら食あたりや食中毒になるのかなどを解説します。

目次

長芋と山芋はなにが違う?

長芋と山芋。どちらもよく耳にしますが、どこがどう違うのでしょうか?長芋と山芋は混同されることもありますが、そこに厳密な違いはあるのでしょうか?

長芋と山芋の違い

長芋はヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性の多年草です。長芋のほかに、つくね芋、いちょう芋などの品種があります。現在日本で流通しているヤマノイモ属の芋類の多くは長芋の栽培品種。

これに対して、山芋は品種名ではなく「ヤマノイモ科」の植物全体をしめす言葉です。ですが一般的には、スーパーで大和芋として販売されている、つくね芋やいちょう芋のことを山芋と呼んでいるようです。

また日本の在来種であるヤマノイモ属の植物である、自然薯(ジネンジョ)を指して山芋ということもあります。長芋や大和芋は栽培品種として長い歴史がありますが、山野に自生している自然薯は、栽培もできますが収穫までに手間がかかるので、流通している量も少なく長芋や大和芋にくらべて高価です。

長芋と大和芋の自然薯の違い

長芋と大和芋と自然薯味では、風味や味、粘り気の強さなどに違いがあります。長芋はどちらかというと水分が多めで、自然薯にくらべれば粘り気は少な目で味もあっさりしています。また自然薯は水分が少なく粘り気が強いのが特徴。味にも甘味が感じられます。大和芋は長芋と自然薯の中間くらいといえます。

長芋の栄養

長芋にはカリウムやミネラル、ビタミンB群、ビタミンCなど豊富な栄養素が含まれています。また長芋は100gあたり65kcal。里芋が58kcal、じゃがいもが76kcal、さつまいもが132kcalなので、芋類の中では比較的低カロリーといえます。

ジアスターゼ

長芋の特徴のひとつは消化酵素ジアスターゼが含まれていること。ジアスターゼには長芋の主な成分であるデンプンを分解する働きがあります。じゃがいもや里芋が生で食べられないのに対して、長芋が生で食べられるのはジアスターゼが豊富に含まれているから。ジアスターゼは熱に弱い性質なので、生で食べると効果的に摂取できます。

ムチン

長芋の最大の特徴といえば、あのネバネバではないでしょうか?ネバネバ食材の筆頭として挙げられるオクラと同じムチンという成分が含まれています。

水溶性食物繊維であるムチンには、粘膜を保護する働きがあります。ムチンには胃の粘膜を守って胃もたれを防ぐ効果のほかに、疲労回復やドライアイの予防、免疫力を高める効果など、さまざまな効果が期待できます。ムチンもまた加熱に弱いので、長芋を生で摺り下ろして食べるトロロ芋は、長芋の栄養をあまさず摂るために効果的な食べ方といえます。

変色した長芋は食べられる?

時間がたって色が変わった長芋を見たことがありますか?長芋はなぜ色が変わるのでしょうか?そして色が変わった長芋は食べられるのでしょうか?

長芋がピンク色になっている

半分に切ってある長芋を摺りすりおろそうと断面を見るとなぜかピンク色に。真っ白なはずの実の部分がピンク色になっていると驚きますよね。

これは長芋に含まれるポリフェノール系の成分が空気にふれることによって酸化したために起こる現象です。最終的には茶褐色に変化します。これは褐変(かっぺん)と呼ばれる現象で、バナナやリンゴなどが皮をむいて時間がたつと変色するのも同じ理由です。

長芋の色が変わっている理由が褐変現象であれば、食べても問題ありません。摺りおろすと褐変が進むので、見た目が気になるとなら、バター炒めや天ぷらなど、加熱して調理してはいかがでしょうか?

長芋が黒くなっている

長芋の断面にあらわれた黒い点々。こちらも長芋のポリフェノール系の成分による褐変現象なので食べても大丈夫です。

長芋に含まれるポリフェノール系の成分はいわゆる灰汁と認識されている成分。実はヤマノイモ属の中では長芋は灰汁の少ない方で、もっとも灰汁が強いのが自然薯です。

ただし長芋は腐っているときも変色することがあるので、見た目以外にも臭いや味、さわった感触などに少しでも異変がある場合は、食べない方がいいでしょう。

長芋が変色する理由

同じ長芋や山芋でも、個体によって変色しやすいものと変色しにくいものがあります。その差はどうしてできるのでしょうか?

未成熟(若堀り)で収穫した

原因は収穫の時期にあります。未成熟(若堀り)の状態の長芋を収穫すると、長芋に含まれるポリフェノール系の成分が多くなります。灰汁が多いほど褐変しやすいので、摺り下ろしたところから色が変わってしまうのも、若掘りの長芋だったため。若掘りの長芋を貯蔵すると、皮の色も赤っぽくなるので、この場合は灰汁の多さを見た目で判断できます。

保存場所の温度が高かった

長芋を保存する場所の温度が高かった場合も褐変しやすくなります。長芋を保存するのに適しているのは、風通しが良くて暗くて涼しい場所。2~5℃が適温です。

腐った長芋の見分け方

では腐った長芋はどんな状態になるのでしょうか?

腐った長芋の見た目の変化

長芋が腐ると茶色や黒に変化することがあります。色が変化しただけなら褐変現象によるものと考えられますが、ハリがなくなっていたり、酸っぱいにおいがしたりするときは腐っています。

青色や緑色のカビが生えているときも、もちろん食べるのはやめておきましょう。カビが生えている部分を取りのぞけば食べられるのでは?と思うかもしれませんが、カビは目に見えないところにも菌糸をのばしています。表面にカビが見えたら、全て廃棄することをおすすめします。

腐った長芋のにおいの変化

腐った長芋からは異臭がします。酸っぱい臭いやカビ臭いにおい。それ以外にも異臭が漂ってきたら、腐っているので食べないようにしましょう。

腐った長芋の味の変化

長芋を摺りおろして一口食べたら、なんとなく苦い、または酸っぱいと感じたら、その長芋は腐っています。苦味や酸味以外にもいつもと違う味を感じたら、食べるのをやめてください。加熱して食べるのもやめた方がいいでしょう。

腐った長芋の触感の変化

シャキシャキとハリのある食感がおいしい長芋ですが、新鮮でなくなるとともに徐々にハリが失われていきます。腐りはじめるとさらに柔らかくなり、そのうちぶよぶよとした触感になります。

長芋を食べて起こる症状

長芋を食べて体に不調を感じたらすぐに食べるのをやめましょう。腐った長芋を食べてあたってしまった、もしくはアレルギー反応がでてしまったことなどが考えられます。

食あたり・食中毒

腐ったら長芋を食べると、腹痛、下痢、嘔吐などの食あたり・食中毒の症状がでることがあります。腹痛、下痢、嘔吐が翌日になっても治まらないときは、念のため病院で診てもらいましょう。

痒み

長芋を食べたり触ったりすると、口の中や手が痒くなることがあります。痒みの原因は針状の結晶を持つシュウ酸カルシウム。この針状の結晶に刺されるために起こる物理的な痒みです。つシュウ酸カルシウムは長芋の皮の近くに多く含まれている物質なので、皮を厚めに向くことで軽減できることがあります。

ただし痒み以外の症状もあるときは、シュウ酸カルシウムが原因でない可能性が高いので、即刻食べるのをやめて、症状が重いようなら病院で診てもらいましょう。

アレルギー反応

長芋を含む「やまいも」は、厚生労働省が指定するアレルギーの原因となる食品として、表示が奨励されている18品目のひとつ。アレルギー反応は全身に蕁麻疹がでたり、腹痛、下痢、嘔吐など食あたりのような症状がでたり、人によってさまざまです。

複数のアレルギー症状が急激にでる状態を「アナフィラキシー」といいます。そして血圧が低下したり意識がもうろうとしたりする症状を「アナフィラキシーショック」といい、命の危険のある重篤な症状がでる場合があります。

長芋の賞味期限と保存方法

正しい方法で保存すれば比較的長期間保存できる長芋。常温、冷蔵、冷凍でそれぞれ適した保存方法と目安となる賞味期限があります。

長芋を常温で保存する

長芋をまるごと1本で保存するときは、湿気と乾燥に気をつけましょう。長芋は湿気と高温が苦手です。

長芋を買ったときに土やおがくずがついていたなら、土やおがくずがに入れた段ボールや紙袋に入れて保存しましょう。土やおがくずがないときは、新聞紙などの紙でくるみます。日が当たらない風通しのよい涼しい場所においておけば約1か月保存できます。

長芋を冷蔵で保存する

カットした長芋は常温での保存は適さないので、冷蔵庫の野菜室で保存します。まず長芋のカットした面の水分を拭きとります。乾燥を防ぐためにキッチンペーパーで覆ってからさらにラップでくるみます。ラップが外れないように、輪ゴムなどで止めておくことをおすすめします。賞味期限は冷蔵庫の野菜室で1週間から10日。

長芋まるごと1本を常温で保存するのに適切な場所がないときは、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。新聞紙にくるんで約1か月保存できます。

長芋を冷凍で保存する

カットした長芋は冷凍することもできます。冷凍するときは皮をむいておくと、凍ったまま摺り下ろすことができて便利です。

カットして皮をむいた長芋を冷凍するときは、水分をきれいに拭き取って、ラップで丁寧にまいてからジップロックなどの密閉袋に入れて保存します。

摺り下ろした長芋を冷凍することもできます。ジップロックなどの密閉袋に、なるべく平らになるように摺り下ろした長芋を入れます。半分くらい凍ったときにスケッパーなどで、跡をつけておくと、使いたいときに使いたい分だけ割って取りだしやすくなります。また薄い長方形にカットしてから冷凍すると、サラダや酢の物などにそのまま使えます。

カットした長芋も摺り下ろした長芋も、自然解凍して使います。

長芋を使ったレシピ

長芋をまるごと1本買うと、トロロ芋だけで食べきるのは大変ですよね。長芋は摺り下ろす以外にもいろいろ使い道があります。

長芋のフライドポテト

長芋の栄養を摂るには生で食べるのが効果的といっても、加熱した長芋にはホクホクしたお芋らしいおいしさがあります。

トロロ芋に飽きたらぜひ試してほしいのがこちら。じゃがいもをフライドポテトにするときと同じように、ただ揚げるだけでも美味しいのですが、かたくり粉をまぶしてひと手間かけると、いっそうおいしくなります。

長芋のグラタン

チーズとホワイトソースと長芋の組み合わせが意外なほど合う長芋のグラタン。きのこや鶏肉、シーフードを加えるとボリュームのあるメインの一品になります。また水切りした豆腐を加えると低カロリーでヘルシーなグラタンになるので、ダイエット中にもおすすめです。

長芋の大学いも

長芋を使ったスイーツはいかがですか?作り方はさつまいもの代わりに長芋を使うだけ。油で揚げた長芋はホクホクサクサクして、さつまいもの大学いもよりもあっさりした味わい。いくらでも食べられます。

まとめ

長芋がピンク色や茶色になったり、また黒い点々ができるのは、長芋に含まれるポリフェノール系の成分が空気に触れたため。この現象を褐変といいます。

ただし長芋が腐ったときも色が変わることがあります。また青や緑のカビがはえているときも腐っているので食べられません。見た目以外にも、腐った臭いや酸っぱい臭い、また口に入れて酸味や苦味を感じたら腐っています。腐った長芋はハリがなくなり、ぶよぶよになるので、さわった感触からもわかるでしょう。

長芋は比較的長期間保存できて、まるごと1本を常温なら約1か月、カットしたものは冷蔵で1週間から10日保存できます。またカットしたものや摺り下ろしたものを冷凍すると約1か月保存できます。

豊富な栄養を含む長芋ですが、特徴的な栄養素であるムチンやジアスターゼは生でとるのがいちばん効果的。ですが、フライドポテトやグラタンにしてもお芋らしいホクホクした食感が楽しめます。あっさりした味が実はいろいろな料理に合わせやすい長芋。トロロ芋に飽きたら、ぜひ試してくださいね。

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