カリカリとした食感と、程よい酸っぱさ。カリカリ梅についつい手が伸びてしまい、やめられなくなっている人って多いのでは無いでしょうか。最近はコンビニでも簡単に買えてしまうし、ヘルシーだからカロリーを気にしないおやつとして、特に女性には人気かもしれません。しかし、カリカリ梅の食べ過ぎは危険と言えます。具体的な問題を見ていきましょう。
カリカリ梅の食べ過ぎはどうなる?
塩分過多
ご存じかもしれませんが、カリカリ梅は塩分の高い食べ物です。一般的なカリカリ梅の塩分は5~10%ほど。重さの1割近くの塩分が含まれているということになります。「塩分を控えること」は健康維持の常識のように言われていますが、実際に塩分を摂りすぎると、体にどんな不調をもたらすのでしょうか。代表的な2つ「体の浮腫み」と「高血圧」を紹介します。
まず1つ目が「体の浮腫み」。体は塩分濃度を一定に保とうとする働きがあります。塩分を多量に摂取した場合、塩分濃度を薄めるために水分をため込むようになります。それが浮腫みの原因です。
浮腫みは、皮膚の下に水分が余分に溜まった状態です。当然溜めた水分の量だけ太る結果に。顔や足などがパンパンに膨れてスッキリしない状態が続くと不快ですよね。更に悪いことに、浮腫んで冷えやすくなった部分に老廃物がたまると、脂肪細胞とくっついてセルライトになります。健康的に痩せるためには、美容面のダメージは見逃せません。
次に2つ目、「高血圧」についてです。塩分を多量に摂取することで血圧が上がる仕組みは、塩分濃度を薄めるために体を循環する血液量が増え、その結果、血管に掛かる負担が増すことが原因と考えられています。血管に負担が掛かり続けることによって、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患などの怖い病気にかかってしまうリスクが高まります。これらを避けるためにも、塩分の摂り過ぎは控えるよう勧められているのです。
お腹を壊すことも
また、カリカリ梅を食べ過ぎるとお腹を壊すこともあります。その原因になるのは、カリカリ梅に含まれるクエン酸やカテキン。これらは体に有効な栄養素なのですが、体が弱っていたり胃腸が弱っている時に食べ過ぎると胃腸に負担が掛かり、腹痛の原因になります。何事も食べ過ぎは良くないということですね。
カリカリ梅は1日にどれくらいが適量?
カリカリ梅の食べ過ぎは良くない!ということをお伝えしました。では、具体的にどのくらいが適量で、どこからが食べ過ぎになってしまうのでしょうか。カリカリ梅の塩分量から考えていきます。
カリカリ梅の重さの5~10%は塩分だとお伝えしてきました。例えば、3gのカリカリ梅1個を食べると0.15~0.3gの塩分をするということです。10個なら、塩分は1.5~3gとなります。
一方で、世界保健機構(WHO)が推奨する塩分摂取量は1日で成人5g以下。それに対して日本人は平均で1日10gの塩分を摂取しています。ちなみにカップ麺1つに含まれる塩分は5gほど。これだけでも、日本人の食事は当たり前のように塩分オーバーをしていることが分かります。
ここから分かるのは、普段の食事以外から塩分を摂るのは出来るだけ控えることが大切ということ。カリカリ梅はついつい手が伸びてしまいますが、多くは食べない方が無難です。1日1~2個ほどに留めましょう。
カリカリ梅と梅干しの違いは?同じ効果効能があるの?
カリカリ梅と梅干、これらは似ているけど違ったものなのでしょうか。また、食感以外に違いはあるのでしょうか。そんな疑問を解決していきます。
違いを生むのは、原料と製法
梅干とは、主に完熟した梅を材料に使います。梅の実を食塩で漬け込んで熟成させ、天日干しをして仕上げます。天日干しをすることで、梅の酸がカルシウムと溶け合ってトロっとした軟らかさになります。
一方で、カリカリ梅の材料は、まだ硬めの青梅です。小粒な若い実を、食塩と卵の殻(カルシウム)を加えて漬けこみます。その違いが、カリカリとした食感を生むのです。
栄養価の比較
さて、カリカリ梅と普通の梅干の栄養価に違いはあるのでしょうか。結論から言えば、ほぼ同じです。梅の栄養を摂りたいなら、カリカリ梅でも梅干でも、好みで選んで良いということになります。
ただし、カリカリ梅には製造の過程で、梅をカリカリにする働きがある乳酸カルシウムを加えている可能性があり、その点だけが異なります。
カリカリ梅はダイエット中にも食べられるのか
カロリーの低さが魅力的なカリカリ梅ですが、これまでお話した通り、食べ過ぎはオススメしません。それはダイエットでも同じです。塩分のとり過ぎは浮腫みによる体重増加、冷え体質になりセルライトの生成を促してしまうからです。
ただし、食べ過ぎずに適量1日1~2個程度を食べるのはOKです。クエン酸による疲労回復効果や、カロリーの低いおやつとして活用していけたら良いと言えます。ただし、カロリーは低めでも糖質が低いわけではありません。(カリカリ梅10gに対して糖質0.8g)糖質ダイエットをしている方は少し注意してください。
そして一言でカリカリ梅といっても、商品によって違いがあります。消費者の好まれる味にするため、甘みや塩分を調節しています。具体的に、どんな違いがあるかを見ていきましょう。
カリカリ梅のカロリー比較
ここではコンビニ3社で売られているカリカリ梅と、ロングセラーとして有名な梅しばを比較してみました。比較のしやすいように、同分量でのカロリー・塩分も記載します。
1袋のエネルギー (kcal) | 塩分 (g) | 100gあたりの エネルギー(kcal) | 100gあたりの 塩分(g) | |
セブンイレブン 大粒サイズのカリカリ梅(63g) | 19 | 2.9 | 30 | 4.6 |
ファミリーマート ひとくちカリカリ梅(43g) | 13 | 2.9 | 30 | 6.7 |
ローソン カリッと手割り梅(48g) | 17 | 2.8 | 35 | 5.8 |
梅しば(100g) | 45 | 6.6 | 45 | 6.6 |
結論
上記の比較より、カロリーと塩分が共に低めなのは「セブンイレブンの大粒サイズのカリカリ梅」であることが分かりました。ただし、梅1個が大きめなので、1~2粒を食べた場合、結果として他の商品の方がカロリー・塩分が低くなってしまう可能性があります。あまり神経質にならずに、味の好み・1~2粒で十分満足できることを優先して選ぶ方が良いかもしれません。
おすすめのカリカリ梅
今回はカリカリ梅の中でも、コンビニなどの身近な環境で手に入りやすいもの、人気の高いものをご紹介します。是非、お気に入りのカリカリ梅を探す時の参考にして下さい。
セブンイレブン 大粒サイズのカリカリ梅
大粒サイズの青梅を、着色せずに程よい酸味で漬け込んだ商品。食感もカリカリと楽しく、食べ応えがあります。
ファミリーマート ひとくちカリカリ梅
ジューシーな食感の中に、塩味を利かせた商品です。種なしなので食べやすく、刻んだりなどの料理アレンジもしやすいです。
ファミリーマート 無着色のひとくちカリカリ梅
無着色のため安心して食べられる商品です。はちみつの甘みを利かせた、ソフトな食感です。
ローソン カリッと手割り梅
カリっとした食感が歯切れよく、ほどよい酸味が楽しめます。
村岡食品工業 梅しば
国産梅を使用し、無着色・保存料なしの製法にこだわっています。カリカリ梅の代名詞として、長く愛され続けるロングセラー商品です。
ASフーズ カリカリ信玄梅
300gの大容量ポット入りで販売されている姿は、懐かしい駄菓子屋さんを思い起こさせてくれます。家で長くカリカリ梅を楽しみたい場合は、コスパが良い商品です。
なとり 甘ずっぱいカリカリ梅
種抜きの食べやすい形状と、甘みがある食べやすさが特徴です。
カリカリ梅は塩分過多に注意
この記事のポイントをまとめます。
- カリカリ梅の食べ過ぎは危険。塩分で浮腫み・高血圧、そして腹痛になる場合も。
- 塩分を考えると、1日1~2粒までが目安。
- カリカリ梅と梅干しの栄養価は殆ど変わらない。
- ダイエット中にも食べ過ぎなければOK。好みのカリカリ梅を見つけよう。
ついつい食べ過ぎてしまいがちなカリカリ梅ですが、適量を楽しむ分には良いものです。美味しく楽しく、カリカリ梅とのお付き合いを続けていけたら良いですね。