干し柿の食べ過ぎは体に悪い?栄養価と効果は何がある?

干し柿の食べ過ぎは体に悪い?栄養価と効果は何がある?

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冬の時期に差し掛かると多くの家庭で作る干し柿。たくさん有り余るほどに作るご家庭もありますね。

では干し柿の食べ過ぎは体に悪いのでしょうか。干し柿の栄養価と効果は何があるのでしょうか。

目次

干し柿の栄養価と効果

βカロテン

干し柿に多く含まれているβカロテンには非常に強い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果抜群です。また、βカロテンは体に吸収されるとビタミンAに変わる性質があり、免疫力をアップさせたり、お肌や粘膜を保護する効果もあります。健康だけでなく、美容にも気を使っている方に対してもおすすめです。

食物繊維

干し柿は多くの食物繊維を含んでいます。その中でも特に多いのが「不溶性食物繊維」です。便のかさを増やして腸を刺激し、お腹の調子を整えてくれる効果があります。また、食物繊維は、生柿(1個あたり約4g)よりも干し柿(同約5.2g)の方が豊富です。この量は果物の中で特に多い数値となっていて、一般的に食物繊維が多いとされるりんご(1個あたり訳4.5g)よりも、干し柿の方が多く食物繊維を摂取することができます。

タンニン

干し柿に多く含まれている「タンニン」はポリフェノールの一種です。ポリフェノールは赤ワインや緑茶などに含まれている渋味成分ですが、乾燥させることによって渋柿の可溶性のタンニンが不溶性に変わり、渋味がなくなって、甘味が強く感じられるようになります。干し柿の原料には渋柿が使われていますが、実は渋柿の糖度は甘柿よりも高いのです。(渋柿は糖度20度前後、甘柿は16度前後)しかし渋柿は同時に渋味も強いので、そのままでは甘味が感じづらいのですが、干し柿にすることで渋味や水分がとび、糖度は50度前後になります。また、タンニンには血の巡りをよくして代謝をアップさせたり、毛穴を引き締めて美肌に効果を発揮したりと行ったアンチエイジングの効果が期待できます。

ビタミンA

ビタミンAは美肌を保つために非常に効果的な栄養素と言えます。肌の免疫力・基礎体力を上げる役割があり、シミやシワを予防するアンチエイジングの効果があります。また、肌のターンオーバーを促し、美白効果にも期待ができる栄養素です。生柿1個あたりに含まれるビタミンAはおよそ34µgRAEといわれていますが、干し柿にすることで、なんと約45µgRAE程度までアップします。

カリウム

ナトリウムとの相互作用で、体内で増え過ぎた余分な水分や塩分を尿として排出し、水分量のバランスを一定に保ってくれる機能があります。この働きによってむくみの解消につながると言われています。

柿と干し柿の栄養価の違い

「柿が赤くなると医者が青くなる」という言葉を聞いたことがありますか?医者いらずになってしまうくらい、柿には健康に良い成分がたくさん含まれていることを表しています。もともと栄養価の高い柿ですが、干し柿にすることでさらに栄養価がギュッと凝縮され、少量でも効果的に栄養を摂取することができるようになっています。柿と干し柿の栄養価の違いを具体的に見ていきましょう。

干し柿にすることで増加する栄養素

食物繊維

生柿に含まれる食物繊維は、100gあたりおよそ1.6gと言われています。干し柿にすることで、100gあたりの含有量はおよそ14gまで増加します。なんと9倍近くまで増えるのですね。1日に必要な食物繊維の量は、成人男性なら20g、成人女性なら18g程度と言われています。干し柿を2つ食べれば十分な量を摂取することができてしまうのです。

ビタミンA

干し柿にすることでビタミンAの量は増大します。その量なんと約2倍とも言われています。生柿1個あたりに含まれるビタミンAはおよそ34µgRAEといわれていますが、干し柿にすることで、なんと約45µgRAE程度までアップします。

干し柿にすることで減少する栄養素

ビタミンC

干し柿にすることで、柿から抜け出てしまう栄養素もあります。それがビタミンCです。

干し柿の食べ過ぎで起きること

カロリー過多で太る

干し柿1つのカロリーは102kcal前後です。この数値、実は干す前よりも若干増えているのです(生柿:186kcal前後、干し柿:102kcal前後)。干し柿にすると質量自体は4分の1程度まで減っているので、量自体はたくさん食べることができてしまうかもしれませんが、一般的に完食として推奨されるカロリーは200〜250kcal程度です。干し柿の1日の摂取量は1、2個程度が適性といえそうです。

体が冷える

柿は体を冷やしやすい食べ物とされており、冷え性の人は控えるのが望ましいそうです。
そう言われる理由の1つはタンニンです。
タンニンは、鉄分などと結びつくことで沈殿し、鉄分の吸収の阻害をしてしまう効果があるとされています。よって、過剰摂取することで貧血が起こりやすくなると言われています。
二つ目の理由は、こちらも柿に多く含まれている、カリウムです。
カリウムは利用作用があるため、頻尿になり、ナトリウムが体外に排出されてしまいます。ナトリウムは、血圧を上げて体内の温度を保つ働きがあるため、体内から排出されすぎた結果、体の冷えにつながります。
一方で、こうした作用は「のぼせに効く」とも言い換えることができ、高血圧に悩む人には好ましい働きといえます。
とはいえ、タンニンの冷えの効果は、余程食べ過ぎなければそれほど神経質になる可能性はありません。1日2個程度までを目安としておけば、特に心配する必要はないようです。

干し柿は消化に悪い

一般的に柿は消火に悪いと言われています。
消化不良を引き起こす原因は、柿に含まれる渋味成分である、タンニンです。
適量のタンニンであれば、胃の細胞を刺激することで消火を助けますが、摂取しすぎることで逆に胃の粘膜を荒らし、消化液の分泌を妨げてしまう作用があり、便秘につながることがあります。
また、タンニンは粘稠性の強い成分で、消化管に張り付く性質を持っています。タンニンと一緒に、同じく消化されない食物繊維を摂取することで、両者が合わさり胃のなかで固まってしまい、腸閉塞の原因になってしまうことがあります。

干し柿は特に渋柿を使うことが多いため、タンニンが多く含まれています。よって、胃腸の弱い人は、1日に1、2個程度の摂取に留めておいた方が安心でしょう。また、前述したとおり食物繊維と合わさることで腸閉塞を引き起こす可能性があるため、量だけではなく食べ合わせにも十分注意をすることが必要です。

干し柿の栄養価と効果と食べ過ぎ注意まとめ

たくさんの栄養価があり、長持ちする干し柿。

そんな中にもタンニンによる便秘のリスクや消化不良などのデメリットもありました。

たくさん収穫できた柿を干して干し柿にするのも良いですが、食べ過ぎには注意してくださいね。

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