干し椎茸はそのまま食べられる?正しい食べ方や水で戻す手順を解説

干し椎茸は乾燥したそのまま食べられるのでしょうか。

この記事では正しい干し椎茸の食べ方や水で戻す手順を解説しています。

目次

干し椎茸と生の椎茸、味や栄養に違いはあるの?

干し椎茸と生の椎茸では、保存性以外に違いはあるのでしょうか。味と栄養に着目していきます。

旨味が違う

椎茸は干すことで、生の状態よりも豊かで強い旨味を持つようになります。

旨味とは、味の一種です。甘味・酸味・塩味・苦味・旨味を合わせて5つの基本味と呼ばれます。そして旨味の中には、三大旨味成分と呼ばれるものがあります。

  • 昆布やトマトに含まれる「グルタミン酸」
  • カツオや煮干しに含まれる「イノシン酸」
  • 干し椎茸にのみ含まれる「グアニル酸」

ここで注目されるのが、グアニル酸。この旨味成分を含んでいる食材は少なく、干し椎茸はそのレアな食材の一つ。

そして、グルタミン酸については、生しいたけにも含まれますが、干し椎茸にすることで生しいたけの15倍のグルタミン酸を含むようになります。干し椎茸はまさに、うま味の宝庫のような食材なのです。

栄養価が違う

椎茸は、乾燥させることで栄養も増加します。

椎茸に含まれる食物繊維・カリウム。ビタミンD・葉酸は、干すことで増えることが知られています。特にビタミンDにいたっては、乾燥しいたけになると約30倍にもなります。ビタミンDとはカルシウムの消化吸収に不可欠な栄養素なので、成長期のお子さんは特に積極的に摂取して欲しいものとなります。

乾燥しいたけを普段の食卓に取り入れることで、栄養バランスもアップすることができます。

干し椎茸をそのまま食べるリスクとは

旨味成分たっぷりの食材、干し椎茸。でも、干し椎茸を戻さず食べることはできるのでしょうか。

干し椎茸をそのまま食べることで、体にはどんな影響が起こるのでしょうか。考えられるリスクは3つあります。

しいたけ皮膚炎を発症するリスク

1つ目は、しいたけ皮膚炎を発症するリスクです。

しいたけ皮膚炎とは、椎茸を生もしくは生焼け状態で食べた場合におこる食中毒。胸・お腹・背中を中心に、強いかゆみと、ひっかき跡に線上の発疹が出るのが特徴です。しいたけ皮膚炎のリスクを避けるために椎茸にはしっかり火を通してから食べるよう、皮膚科医から注意喚起がなされています。

一方で、干し椎茸を製造する過程では、水分を飛ばすために天日干しや温風を当てるなどの処理がされますが、これは食材に火が通るほどの加熱とは言えません。実際に、干しシイタケの戻し汁でも発症したという事例もあります。よって、干し椎茸を加熱せずに食べることは、しいたけ皮膚炎をおこす原因につながる可能性があると言えます。

雑菌による食あたりのリスク

2つ目は、雑菌による食あたりのリスクです。

干し椎茸は、生で食べることを前提とした衛生管理では作られていません。何らかの理由で雑菌が付着した場合、保存環境によっては菌が増殖していることがあります。通常、正しい加熱調理をすれば殆どの菌は死滅してしまいます。しかし、生の状態で食べれば、加熱による殺菌がなされていないため、大丈夫とは言いきれなくなります。

消化器トラブルのリスク

3つ目は、干し椎茸が体内の水分を吸収しておこる消化器トラブルのリスクです。

干し椎茸は乾燥した食材であるため、触れている水分をぐんぐんと吸い取って、乾いていない状態に戻ろうとします。つまり、干し椎茸を水で戻さずに食べた場合、その人の体内の水分をぐんぐんと吸って、戻ってしまうのです。

一方で、ヒトの体は食物を運搬して消化するために水分を必要とします。その結果、消化器内の水分量が不足し、消化不良や腸閉塞を引き起こすことに繋がります。

以上3つのリスクを避けるためにも、干し椎茸をそのまま食べることはオススメできません。水で戻して、加熱をして食べる、オーソドックスな食べ方が良いでしょう。

そのまま食べる干し椎茸の味は美味しくない

では、干し椎茸をそのまま食べた場合は、どんな味がするのでしょうか。

実は、干し椎茸そのものに味は殆どありません。椎茸独特の香りの中に、少し甘みがある程度。食感も、スポンジのようにボソボソとしていて、決して美味しい食べ物とは言えません。

上記で説明した健康リスクのことも併せて考えれば、干し椎茸をそのまま食べるメリットは無いと言えます。

干し椎茸は単体では決しておいしくないのですが、干し椎茸はうま味成分を豊富に含んでいます。
したがって、料理のワンポイントパートナーとしての使用が好ましいです。

干し椎茸をそのまま食べるなら椎茸チップス

近年、しいたけチップスがお菓子として販売されています。見た目も似ているし、干し椎茸だってそのまま食べても美味しいものだと思ってしまうかもしれません。

しかし、しいたけチップスはスライスした椎茸を油で揚げているものなので、干し椎茸とは似て非なるもの。

上記で説明したように干し椎茸だけですと決しておいしいものではありません。

しかしお菓子としての干し椎茸なら、椎茸の風味を生かしおやつ感覚で食べることができます。

干し椎茸は洗うべき?

国産の干し椎茸は、洗わないのが普通です。理由は3つあります。

  • 無農薬で栽培されている
  • 原木・菌床どちらの栽培方法も土に触れない
  • 戻した後で戻し汁を漉すことで汚れも落ちる

それでは、干し椎茸を使うための準備は、何が必要なのでしょうか。

干し椎茸は洗わずに「拭く」のが一般的

干し椎茸を使う準備として一般的なのは、拭くこと。固くしぼった布巾・キッチンペーパーを使って、ゴシゴシと擦るというよりは、表面のほこりや木くずを軽くサッと落とす程度で十分です。

干し椎茸を洗ってはいけないの?

ただし、外国産の干し椎茸を使う時や、どうしても気になる方は、洗ってしまってもさほど問題はありません。

本来、洗わない方が良い理由としては、干し椎茸のうま味成分が一緒に流れてしまうことが挙げられます。しかし、後述しますが、干し椎茸を戻す際にはゆっくりと時間をかけて水に浸す必要があります。なので、干し椎茸をサラっと水洗いする程度で、うま味成分がたくさん流れ出てしまう心配は、あまり無いと言えるでしょう。

どうしても汚れが気になる人に、オススメの水洗いのやり方

椎茸の汚れが気になるという方に、オススメしたい洗い方があります。それは、椎茸を水で戻した後で、塩水で洗う方法です。ここで使う塩水の濃度は、水1ℓにつき塩20gほど。これは海水と同じくらいの濃度となります。

塩水を使う理由は、椎茸の細胞を引き締めて余分な栄養が流れ出ないようにするためです。その塩水の中で汚れを落とすようにすると、旨味成分の流出を気にせずに洗うことが出来るでしょう。

干し椎茸を水で戻す手順

干し椎茸はそのまま使うのではなく、一度水で戻して使います。戻し方次第では旨味が十分に引き出せないこともあります。そこで、干し椎茸を美味しく戻すやり方、どうしても急いでいる時の戻し方をご紹介します。

基本は冷たい水でゆっくりと戻す

干し椎茸の旨味は加熱によって完成されますが、生成されたと同時に別な酵素によって少しずつ破壊されてしまいます。なので、加熱は一番最後の調理の時に行い、それまでは出来るだけ加熱をしないことが必要になってきます。

なので、干し椎茸の持つ旨味を十分に引き出すのは、できるだけ冷たい水で時間を掛けて戻すのがポイントです。干し椎茸がかぶるくらいの水に浸し、冷蔵庫で1日程度置きましょう。椎茸は水で戻すとふっくらと大きくなるので、余裕のある容器を使ってください。

どうしても急いでいる場合、短時間で戻す方法

上記の通り、時間をかけて抽出する戻し方が一番旨味を引き出す方法になりますが、時間が掛かってしまうのがデメリットです。とにかく急いで使いたい場合の為に、4つの時短技をご紹介します。

ぬるま湯を使う

ぬるま湯に浸した状態で落とし蓋のようにラップをかけ、そのまま常温で置きます。約2~3時間ほどで戻ります。

電子レンジを使う

耐熱容器に干し椎茸と浸るくらいの水を入れ、ラップをかけて常温で10分ほど置きます。その後、電子レンジ600wで3分ほど温めて、ラップをしたまま常温で15分ほど置きます。

スライスされた干し椎茸を使う

丸のままより短い時間で戻すことができます。薄さにも依りますが、約1~2時間ほどで戻ります。

砕く、もしくは途中でスライスする

乾燥した椎茸を砕くことで、水と接する面積が増えるため、早く水を吸収できるようになります。約1時間ほどで戻ります。砕いた時の見た目が気になる場合は、冷蔵庫で1時間ほど戻した状態で包丁でスライスすると、そこから30分ほどで戻るようになります。

干し椎茸の使い方

干し椎茸のうま味を味わうために、オススメの使い方をご紹介します。ポイントは、干し椎茸のうま味を出汁として活かすことです。

煮物の具材として

まずは定番の煮物。普段は生の椎茸を使うところを一手間加えて、干し椎茸を使えば更に旨味豊かな煮物に仕上がります。大根や練り物、高野豆腐など、煮汁を吸いやすい具材を合わせると相性が良いです。干し椎茸の戻し汁は、出汁として活用しましょう。

鍋物の具材として

すき焼きや寄せ鍋など、肉と野菜がたくさん食べられる鍋。肉厚で旨味の強い椎茸との相性はぴったりです。干し椎茸の戻し汁はそのまま鍋に入れることで、鍋つゆとして活かしましょう。

炊き込みご飯の具材として

炊き込みご飯の具材として干し椎茸と戻し汁を加えることで、ご飯に旨味がしみ込んで絶品の仕上がりとなります。旨味を逃さず食べられるので、オススメの使い方です。

味噌汁やスープの具材として

味噌汁やスープに加える際は、干し椎茸を戻してから加えるのが望ましいですが、急いでいる時はそのまま鍋にいれて煮ながら戻すこともできます。その際はスライスした干し椎茸、もしくは少し水で濡らしてから切った干し椎茸を使いましょう。味噌汁だけではなく、中華玉子スープやコンソメスープなど、椎茸の香りと旨味を活かせば深みのある味わいになります。

まとめ

この記事のポイントをまとめます。

  • 生椎茸よりも、干し椎茸の方が旨味・栄養がある。
  • 干し椎茸を戻さず、加熱せずに食べることは危険。食べても美味しくない。
  • 干し椎茸は洗わずに、拭くだけでOK。ただし、どうしても気になる時は洗っても問題はない。洗う際は、塩水を使うと良い。
  • 干し椎茸を美味しく戻す方法は、冷水で1日じっくりと置くこと。急いでいる時は、時短の方法がある。
  • 美味しく干し椎茸を味わうには、煮物・鍋物・炊き込みご飯・味噌汁などがオススメ。

干し椎茸は、うま味の宝庫です。干し椎茸でしか味わえない強い旨味は、普段の食卓をより味わい深いものにしてくれるでしょう。使い方をしっかりと覚えて、上手に使っていきたい食材ですね。

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