濃い味でどんどん進んでしまうカルパスやサラミ、ドライソーセージ。そのジャンクな味でイメージ通り体に悪いのでしょうか。
また、カルパスやサラミ、ドライソーセージ違いは何でしょうか。
この記事ではカルパスやサラミ、ドライソーセージについて解説しています。健康に気を使う人のためのカルパスやサラミなども紹介しています。
カルパスやサラミ、ドライソーセージの違い
ドライソーセージとは?
常温で保存できるよう乾燥させたソーセージのことを「ドライソーセージ」と呼びます。農林水産省のJAS規格では、さらに大きく二つに分かれ、35%以下のものが「ドライソーセージ」、35~55%のものが「セミドライソーセージ」となっています。本来、乾燥は熟成を兼ねて60~90日行われるのですが、工場で作られる製品には半日程度のものもあります。また、羊などの腸に材料を詰めたものがソーセージの始まりですが、近年ではコラーゲンで作られた「ケーシング」というチューブに詰めたものが主流となっています。
サラミとは?
豚肉か牛肉のひき肉、または豚と牛肉のあいびき肉が主原料。調味料や香辛料・ラードなどと混ぜてソーセージ状にし、そのまま乾燥熟成したものです。水分が35%以下のドライソーセージに分類されます。スライスしてそのまま食べるほか、パスタやピザ、サンドイッチなどに使うととてもオイシイですね。トウガラシやコショウ粒を入れたスパイシーなものもあります。
カルパスとは?
豚・牛・鶏・羊肉などが主原料。ひき肉状態にしたものを調味料や香辛料・ラードなどと混ぜてソーセージ状にし、加熱してから乾燥させたもの。ロシアの「Kolbasa(カルバサー)」が語源です。細い棒状で短くカットされたものが多く、水分が35~55%とサラミより柔らかめの食感。セミドライソーセージに分類されます。おやつカルパスに代表されるように、そのままオヤツやおつまみとして食べられるものとなっています。
カルパスとサラミの違い
一番の違いは、水分量による柔らかさの違いです。カルパスはそのまま噛み切れる硬さですが、サラミはスライスしないと噛めないほど硬いものです。ただし、カルパスに近い水分量のソフトサラミというものもあります。
見た目の違いとしては、太さでしょうか。サラミは太く、カルパスの数倍以上あります。また、丸ごとだったりスライスされているのがサラミ、カットされて個別包装されているのがカルパスとなります。
味や栄養の違いですが、茹でたり加熱してから乾燥させるカルパスは、サラミより薄味でカロリーや脂質・塩分が3/4のものが多くなっています。
カルパスやサラミが体に悪いと言われる原因
カロリーが高い
カルパスやサラミは乾燥させて水分が少ない状態です。ということは、中身がギュッと濃くなっているので、カロリーは高くなっています。さらに、主原料はお肉で、ラードや水あめなどが使われているものも多いので、カロリーの固まりとも言えます。気になるカロリーは、カルパスで100g当たり423kcal、サラミで100g当たり497kcal。ご飯1杯150gで252kcalと比べると、とても高いのがわかります。おやつカルパス1本は3.4gで16kcal、ペンシルカルパス1本は7gで34kcal、サラミは1枚7gで35kcalですので、この10倍食べたとすると…。計算しなくても危険なことはわかりますよね。
脂質が多い
カルパスやサラミの断面に白く見えるものは、”脂肪のかたまり”です。噛んだ時の美味しさは脂肪のおかげではあるのですが、その分やっぱり脂質が多いのがデメリット。100g当たりの脂質はカルパスで1.2g、サラミは43gもあります。サラミの脂質は、なんと全体の半分ちかくあるのです!特に飽和脂肪酸が多いので、食べ過ぎると血中コレステロールの上昇などにより、動脈硬化のリスクや肥満に繋がるので注意が必要です。
塩分が多い
カロリーや脂質とともに体に悪いと言われるのが、塩分の多さです。常温で保存できるドライソーセージには、腐敗を防ぐため通常のソーセージより塩分が多く含まれています。カルパスとサラミ両方とも100g中3.6gの塩分です。ベーコン2.2g、ウインナーソーセージ1.8gに比べても高い、ということは覚えておきましょう。塩分をたくさん摂りすぎると、高血圧のリスクがあったり、むくみやすい体になってしまいます。ちなみに、一日当りの塩分摂取量の目安は6gです。
糖質が多い
しょっぱいイメージがあるカルパスとサラミですが、実は意外と糖質も多いので食べる量には注意が必要です。特にカルパスは100g当たり15.1gのものも!少なめのサラミでも2.1gあります。間食で食べる場合の糖質量は10g以内におさえることが望ましいので、カルパスを食べる場合は50g程度にしましょう。
添加物
サラミやカルパスによく含まれる添加物は以下のとおりです。たしかに多くの食品添加物が含まれていることが多いのですが、基本的に農林水産省で認められている成分を決められた割合で加えているので、多量に食べ続けない限り人体に問題が出ることはありません。ただし、子どもに食べさせる場合や気になる方は、できるだけ無添加のものを選びましょう。
- たん白加水分解物:動物性や植物性のたんぱく質を加水分解してできたアミノ酸で、旨味を加えるもの
- 酸化防止剤:ビタミンCなどが使われていることが多い
- PH調整剤:クエン酸やリン酸塩など、食品のPHを調整することによって保存性を増す
- カゼインNa:牛乳のたんぱく質に酸を加えて作られるもので、肉組織の安定化・強化のために加える
- ピロリン酸Na:弾力を与える
- ソルビン酸K:保存料として使われ、腐敗を防ぐ
- ポリリン酸Na:肉同士の結着を強める
- 発色剤(亜硝酸Na、硝酸K):肉を赤く発色させるために加える
- くん液:燻製の香りを付けるためのもの。サトウキビや竹などを燃やした時の蒸気から生産される
身体に気を使うカルパスやサラミの選び方
脂質や糖質が少ないものを選ぶ
噛んだ時の美味しさのため加えられている脂(ラード)ですが、やはりあまり多くは取りたくないもの。また、食べやすいように、水あめや砂糖などの甘さがたくさん加えられているものもあります。食品表示をよく見て、できるだけ脂質や糖質が少ないものを選ぶことをオススメします。結果としてカロリーも抑えることができますよ。
添加物が少ないものを選ぶ
食品の安定供給や品質保持のために使われている添加物ですが、やはり気になりますよね。食べた後にエグミや苦み、渋みが残ることが気になる方もいらっしゃるでしょう。無添加のものや、添加物を抑えた商品もありますので、表示を確認して選んでみてください。
肉などの産地が分かるものを選ぶ
平成29年に食品の原産地表示が義務付けられましたが、令和4年までは経過措置があるため、記載がない場合も多くみられます。反対に、原産地表示があるものは品質に自信があったり、産地をアピールしたいという気持ちの表れ。できれば国産、しかも県や市町村・生産者などの表示があるものを選びましょう。原料へのこだわりは、よりよい製品作りへのこだわりとも言えます。買って食べることは、生産者を応援することにもなります。
おすすめのカルパスやサラミ
天然生活 大豆ミート入りカルパス
気になるカロリーが約40%、脂質はなんと約68%もカットされた大豆ミートカルパスです。大豆ミートとは、油を搾った後の大豆を加工したもの。タンパク質や食物繊維が豊富なことも特徴です。この大豆ミートを入れて作られた「天然生活大豆ミート入りカルパス」は、着色料や保存量も未使用。スパイシーで濃厚な味も魅力です。
つまみ蔵 軟骨入りカルパス
脂質の少ない鶏むね肉を使用し、食感のアクセントとして軟骨を加えた新しい味のカルパス。あっさり塩味で、食べやすいのも特徴です。
江戸屋プレミアムカルパス
国産粗びき豚肉100%という、まさにプレミアムなカルパス。仕上げには桜のチップで燻製にしています。燻製仕上げされたカルパスはあまりないので貴重ですし、深い味わいを楽しめます。
スペイン風白カビ熟成サラミ
イタリア発祥のサラミですが、残念ながらネット通販で買える現地のサラミはあまりありません。そこで、本格的なサラミを食べてみたい方は、入手しやすいスペイン産のものを取り寄せてみてはいかがでしょう。白カビを表面に付けて吊るして長期熟成させたサラミは、乳酸菌で発酵した複雑で濃い味わいが格別。特別な時に、少量ずつどうぞ。
南ヶ丘牧場ハウスサラミ
国産の豚肉とオーストラリア産の牛肉を使い、低い温度でじっくり燻製した後、半年~9カ月間長期熟成させたサラミです。乳酸菌発酵により、たんぱく質がアミノ酸に分解されているので、噛むほどにお肉のうまみが広がります。発色剤以外の添加物がほとんど使われていないのも嬉しいですね。
燻製職人の無添加サラミ
サラミでは珍しい無添加の商品です。材料の豚肉と牛肉も国産で、素材全般にこだわって作られています。原料は「豚肉、牛肉、水あめ、食塩、香辛料、酵母エキス」だけ、と超シンプル。サラミ消費量全国1位である山形県「三浦農園」さんの逸品です。
カルパスやサラミのおすすめの食べ方
食べる量を制限する
カロリーや塩分・脂質・糖質の量を考えると、一日で食べる場合のオススメの量は、カルパス(3~5g)で10本以内、サラミのスライス(1枚7g)で5枚以内です。
フルーツや野菜と一緒に食べる
塩分(ナトリウム)の多いカルパスやサラミは、カリウムの多いバナナやりんご、トマトなどと一緒に食べるのがオススメです。カリウムには利尿作用があるので、塩分によるむくみを防ぐことができます。
チーズと一緒に食べる
脂肪を吸着し、消化をおさえてくれるチーズと一緒に食べるのがオススメ。チーズとサラミのセットがオツマミの定番だったり、ピザにサラミが入ってるなど相性もぴったり。チーズは胃が荒れるのを防いでくれますし、糖質が少ないのもメリットです。
調味料・風味付けとして使う
塩分が多く、味やコクがあるサラミやカルパスの特長を活かして、調味料的に使ってみてはいかがでしょう。野菜炒めやスープに入れたり、細かくしてドレッシングに混ぜると、風味付けになり美味しいですよ。もちろん、レシピに書いている塩の量は減らしてくださいね。
栄養補助として食べる
脂質が多いことはデメリットでもありますが、腹持ちするというメリットにもなります。特に、カルパスやサラミの脂質のほとんどは飽和脂肪酸なので、エネルギーとして使われやすいもの。遠足や山登り、スポーツなどのオヤツや栄養補給としてオススメできます。軽くコンパクトですし、常温で持ち歩きしやすいのもいいですね。
カルパスやサラミ、ドライソーセージは体に悪いかのまとめ
カルパスとサラミは同じドライソーセージの仲間ですが、それぞれ由来や製法に違いがあり、食べ方も違うことがわかりましたね。栄養成分も多少の違いはありますが、どちらもカロリーや脂質・糖質・塩分が多いので、食べ過ぎないように注意する必要があることもわかりました。
また、食品添加物についてもご紹介しました。基本的には、食べ過ぎないことで体に悪い影響なく楽しめますので、記事で紹介した選び方やオススメ商品を参考にして、あなたに合ったカルパスやサラミを楽しんでくださいね。