過去に「椎茸の生食は可能」と受け取れるような記事がネットに出回った際、かなり厳しい批判がありました。日本人は生食を好む風潮があるといわれていますが、椎茸の生食は可能なのでしょうか。その可否についてお伝えしていきます。
椎茸の生食について
椎茸は生で食べることができる?
食用キノコの代表格でもある椎茸。でも、実は椎茸には毒が含まれていて、同じく食用キノコのマツタケやエリンギにも毒があります。しかし、食用キノコに含まれる有害物質は熱に弱いもので、キチンと加熱すれば大丈夫です。
椎茸に含まれる有害物質はホルムアルデヒドという成分と言われています。これは防腐剤として使われるホルマリンの原材料です。ホルムアルデヒドの過剰摂取は、皮膚炎や胃腸障害を引き起こすことがあります。ただしホルムアルデヒドは加熱によって揮発したり分解する成分なので、加熱処理をすれば問題ありません。
つまり、椎茸はそのまま生で食べてはいけない食材です。生の状態、そして生焼けの状態も、食当たりに繋がる可能性があります。医師からの注意喚起の情報も公表されていますので、椎茸の生食が出来るかできないかは「できない」と考えましょう。
椎茸を生で食べられる場合はある?
一部報道で、「無農薬・とりたて新鮮な椎茸であれば生で食べられる」と発表したものがありました。しかし上記のとおり、椎茸の食中毒の原因となるのは含まれている成分のため、無農薬・新鮮な椎茸であれば害がないというわけではありません。体に影響を及ぼすほどの成分量を摂取してしまうかどうかの問題となります。どんな場合でも、椎茸の生食は出来ないとお考え下さい。
また、天然の椎茸には傘部分に虫が隠れていることが有ります。多くは、ハエやガの幼虫のようです。人体に害はないと言われていても、進んで食べたいものではないですね。そういった面でも、生食は尚更気が進まないものになると考えられます。
生シイタケを食べて起こる症状
ここまでで、椎茸は生食が出来ない食材だとお伝えしてきました。では、椎茸を生で食べてしまった時にどんな症状がおこるのでしょうか。リスクを回避するためにも、椎茸には十分な加熱調理をしましょう。
しいたけ皮膚炎(食中毒)
名前の通り、十分に加熱されていない椎茸を食べることで起きる皮膚疾患です。稀に、干し椎茸の戻し汁や椎茸チップスなどでも発症する場合もあります。背中から胸・お腹にかけての上半身の皮膚を中心に、赤い線状のひっかき痕が残るのが特徴です。かゆみは強く、全身に現れます。
また、しいたけ皮膚炎は、食べてから1~4日ほどで発症することも特徴と言えます。通常の食中毒と比べて潜伏期間がかなり長いので、椎茸の生食が原因だと自分で判断するのは難しいかもしれません。それに、食中毒と言えば腹痛や下痢嘔吐を連想するので、皮膚症状が出ても食中毒とは思いませんよね。
しいたけ皮膚炎の治療には、外用薬と内服を合わせながら1~2週間ほどかかるのが一般的です。
その他の雑菌が原因でおこる食中毒
これは椎茸に限った話ではありませんが、生の食材には少なからず雑菌が付着しています。環境によっては雑菌が増殖し、食中毒の原因になることもあります。代表的な症状は、腹痛や下痢です。
殺菌の意味でも、しっかり加熱してから食べるのをオススメします。
消化不良
キノコ全般に言えることですが、キノコは人間が消化できない食物繊維を多く含んでいます。胃腸が弱っている時や、お腹を下しやすい人が食べた場合は、消化不良によってお腹を壊してしまうこともあるため、注意が必要です。
しいたけの生焼けは大丈夫?
肉の場合、レアやミディアムといった焼き加減を楽しめますが、椎茸の場合は加熱調理が不十分であれば食当たりの原因になることに変わりません。生であろうと、生焼けであろうと、十分な加熱をされていない椎茸を食べるのはリスクがあります。
そもそもに、椎茸は火を通すことで旨味の出る食材です。半端な加熱をするメリットは無いと考えられますので、食べる時はしっかりと火を通しましょう。
しいたけの加熱時間と焼き方
さて、椎茸にあたることを避けるために、十分な加熱が必要だと言いましたが、具体的にはどれくらいの加熱を心掛けるべきなのでしょうか。調理器具ごとに、見ていきましょう。
フライパンで焼く場合
椎茸の石づきを取り除き、傘と軸を切り離したら、しいたけの傘の内側が上側になるように並べて焼きます。椎茸を焼く場合は、生焼けにならないよう5~6分ほど加熱しましょう。フライパンの蓋をして焼くことで、全体をまんべんなく加熱することができます。
オーブントースターで焼く場合
天板にアルミホイルを敷き、しいたけの傘の内側が上側になるように並べて焼きます。加熱時間の目安は4~5分ほどです。途中で調味料を加える際は庫内の温度が下がるので、加熱時間を少し長めにするなど注意をしてください。
レンジで加熱する場合
薄めにスライスした椎茸にラップをかけて加熱する場合、加熱時間は600wで1~2分ほどが目安です。スライスせずに加熱する際は、まずはレンジを2分ほどかけてみて、水分が出ていることを確認してください。後に詳しく書きますが、椎茸は加熱が進むと水分が出るため、火が通ったかを確認する目安になります。
しいたけの生焼けを見分ける方法
椎茸をしっかり加熱したつもりでも、本当に焼けているのか、心配になってしまいますよね。そこで、焼き具合を目で見て確認できる分かりやすいポイントをいくつか紹介していきます。
傘部分のシワ
椎茸は加熱をすると、水分が出てきます。そのため、加熱が十分な状態であれば傘部分がしんなりとなり、シワがしっかりと付いてきます。シワが無ければもう一度焼き直してください。
傘部分の大きさ
椎茸は加熱すると、水分が出ることで全体が少し縮みます。焼く前の大きさと変わっていなければ、火が通っていない可能性があるため、注意しましょう
傘の裏側に水分が出ているか
椎茸の加熱が進むと、傘の裏側にあたる白い部分に汗をかいてきます。これは加熱によって、椎茸に含まれる水分が追い出されるためです。この水分が出ている状態は、火が通ったことの目印になるため、生焼けを防止するために確認すると良いでしょう。
生椎茸の美味しい食べ方
ここでしっかりと火を通した椎茸の楽しみ方をいくつかご紹介します。
シンプルに焼く、つけダレでアレンジ
フライパンやオーブントースターを使って、椎茸に香ばしい焼き目をつけながらシンプルに焼きましょう。椎茸本来の美味しさを、一番楽しめる方法です。
サッとかける調味料を変えれば、アレンジは無限大です。
- シンプルを極めて塩やバターのみ
- しょう油、わさびしょう油、ぽん酢をつけて和を楽しむ
- オリーブオイルやハーブソルトで洋風に
- 辛みそや甘味噌で更に香ばしく
調味料は脇役として、椎茸のジューシーな旨味を存分に楽しみましょう。
しいたけの傘に詰め物をして焼く
生シイタケの傘の内側に、詰め物をして焼く食べ方です。フライパンやオーブントースターで、しっかりと火を通しましょう。椎茸のうま味エキスと、詰め物から出る美味しいエキスが合わさって、食べた瞬間から口の中に広がります。
詰め物は旨味の強いもの、コクのあるものがオススメです。肉や魚介を詰めれば、ボリューム満点の食卓のメイン料理に。
- ひき肉だねやハンバーグだねを詰めて
- 刻んだエビとマヨネーズを合わせて
- シーチキンとチーズを合わせて
椎茸を使う分、ヘルシーでありながらボリュームが出るのもポイントです。ダイエットや節約にも向いていますね。
煮物の具材に
椎茸のうま味が出ることで、煮汁がさらに美味しくなります。鶏肉や大根、彩り豊かなニンジンなど、好みの具材と椎茸を楽しみましょう。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 椎茸の生食は厳禁。十分に加熱をして食べましょう。
- 椎茸を生で食べた場合、しいたけ皮膚炎、食中毒、消化不良の原因に。生焼けの場合も同様のトラブルが考えられます。
- フライパンやオーブントースター、レンジなどでしっかりと加熱しましょう。生焼けを避けるポイントは、傘の状態や汗のかき方で見ます。
椎茸は旨味の宝庫です。その旨味は、熱を加えることで更に引き立ちます。安全性の面でも、美味しさの面でも、椎茸にはしっかりと火を通して食べることをオススメします。日々の食卓で、椎茸を存分に楽しんでくださいね。